2019年4月27日土曜日

マッスルアップについて

長い間行っていなかったマッスルアップの挑戦だが、本日久々に試したところ、思いの外あっけなくできてしまった。
マッスルアップ運動とは、懸垂とディップスを融合させた、引く力と押す力の両方を鍛錬することができる運動である。懸垂の高さよりさらに高く体を引き上げ胸をバーに乗せ、そこからストレートバーディップスで腕を伸ばしきる。ディップスの部分は簡単だが、胸をバーより上にあげるのが一苦労なのである。
マッスルアップについては数年前からたびたび挑戦し続けていたものの、今日まで一切成功することはなかった。なぜ今更挑戦する気になったのだろうか、それは自分でもわからないが、例えば懸垂ができない場合という記事を書いたり、あるいは平成という時代の終わりであり、そして近い将来初雁公園の死を見とらなければならないという心境が無意識に作用したのかもしれない。
マッスルアップについてはあれこれ言えるほどの経験が無いが、今まで試したマッスルアップのやり方と今回のそれとの違いがひとつだけあり、それは最初から肘を曲げていたという点である。懸垂のように腕を伸ばしたところから始めるのではなく、肘を曲げたままバーに飛びつくのだ。こうすることで懸垂パートを大幅にショートカットできる。腕を伸ばしたところから始めると腕を引き付ける動作と腕を回転させる動作を同時に行う必要があるが、最初から肘を曲げておくことで前者を省略でき腕を回転させることのみに注力できるのである。
ヒントになったのはポール・ウェイドのコンヴィクト・コンディショニングである。フルレンジの懸垂の一段階前にハーフ懸垂という種目があるが、これはすべての距離を移動するより半分の距離を移動する方が負荷が少なことを利用し、トップポジションから半分だけ降ろし、またトップポジションへと上がる、という動作を取ることで負荷を調節している。移動距離を半減させて負荷を下げるという考え方は同書のいたる所に見られる、様々な種目に転用可能な普遍的考えであり、これはマッスルアップにも使用できるだろうと考えたわけだ。そしてその読みは当たった。
マッスルアップに成功したのは私の力ではない。上記書籍と公園のおかげである。いや、もっといえばこれは死にゆく公園と遊具が私に託した形見のようなものではないだろうか。そうとしか考えられない。私は三芳野神社と初雁公園は両方セットになった宗教施設だと考えている。三芳野神社は学問の神を祀っているが、マッスルアップの成功は書籍を読んだことでもたらされたものだ。これが偶然だとは考えられない。
ついに成功したマッスルアップ