2019年4月26日金曜日

川越運動公園にある日都産業のHH-07

「懸垂器具」と書かれている

川越運動公園に日都産業のHH-07がある。公式サイトの写真とはカラリングや細部が異なるが、基本的には同じものだと思われる。この遊具は他にも四都野台公園で見かけたことがある。遊具に貼られたピクトグラムにはぶら下がりとエルシットをしているところが描かれている。

日都産業製HH-07

HH--07に貼られたピクトグラム
ピクトグラムでは右の人物が遊具に向かってぶら下がっているのか、遊具を背にしているのかは判然としない。日都産業公式サイトの写真では遊具を背にしてぶら下がっている。
遊具に向かってぶら下がったところ

遊具を背にしてぶら下がったところ
まずぶら下がってみると、幅がほぼ肩幅までしかなく、この幅の範囲内までしか手幅の自由が利かず大変息苦しい。またぶら下がった時に真正面あるいは背後に常に存在する支柱が圧迫感を与え続ける。次に懸垂を行うと、案の定脚を伸ばしたままだとつま先が接触する。膝関節を曲げて大腿を伸ばしきったまま上がると、膝が付くか付かないかぐらいで、ギリギリだが稀に接触することがある。背中を向けて懸垂すると確実に後頭部が接触する。今までにも何回か書いたが、人間が懸垂運動を行う時、肉体は地面に対して垂直にはならず、若干の傾きが発生する。この遊具もこの点を理解していなかったか、意図的に無視したかのどちらかで、結果的に懸垂運動のための遊具であるにもかかわらず懸垂を困難にしている。本来、懸垂への障害は筋力不足と筋肉疲労のみであるべきであり、器具の不備であってはならないはずだ。
脚を伸ばしているとつま先が接触する

腿は伸ばしきり膝を曲げておくとすれすれ、稀に接触

背を向けて上がると頭が当たる
なお平行棒はそこそこ使えるが、定員は一名だろう。普通の平行棒なら向かい合わせになって二人同時にディップス勝負をすることも可能である。棒の幅はHM-01の斜平行棒と同じぐらいに感じる。
幅はもう少し狭い方がいいが

普通にディップス

中村製作所のFIT-04と同じく、複数の遊具を合成しようとしたところ、満足に使用できなくなってしまった遊具のひとつである。しかも一本の鉄の棒を相当な箇所曲げて作られていて、複雑な形状をしている。平行棒と鉄棒はどちらもまっすぐな棒のみで作れる。それをあえて複雑な構造にしているうえに、その構造が機能に寄与しているどころか、通常の使用さえもが困難な形状になっている。運動公園という名の公園にある遊具でさえ、こうなのである。
川越運動公園はかなり広大な面積の敷地を持つ。ここからさらに遊具を追加し、各種高度の鉄棒、平行棒、雲梯、肋木を設置する余地は十分に存在する。もしそれが実現できれば、全ての年齢の人間の全ての筋肉をカバーできることだろう。